料理人が愛犬のために作ったフード|ハチとマルコの話
一枚のメニューも、ハチのためには書けなかった
フレンチブルドッグの「ハチ」が我が家にやってきたのは、岡がビストロ「非常識ビストロマルコ」を営んでいた頃のことです。
お客様には季節の食材を吟味し、一皿一皿に魂を込めていた岡。でもマルコとハチのごはんは、ペットショップで勧められたドライフードをただ皿に盛るだけでした。「何を食べさせたらいいのか、正直わからなかった」と、岡は当時を振り返ります。
料理のプロであるはずなのに、大切な家族であるマルコとハチに対してだけは、まるで素人のように途方に暮れていた——そのもどかしさが、すべての始まりでした。
「食べるもので、身体はできている」
転機になったのは、薬膳の考え方との出会いです。「医食同源」という言葉は知っていても、それを犬に応用しようと考えたことはありませんでした。でも調べていくうちに、岡の料理人としての感覚が反応しました。
季節によって身体の状態は変わる。だから、食べるものも変えるべきだ。
それはビストロで当たり前にやってきたことと、まったく同じ発想でした。夏には体の熱を和らげることを意識した食材を、冬には体を内側から温めると考えられている食材を。旬のものには、その季節に必要な力が宿っているという薬膳の知恵は、料理人の目線からも自然に腑に落ちるものでした。
厨房でマルコとハチのごはんを作り始めた日
試作は、ビストロの厨房で始まりました。人間用の料理と並行して、マルコとハチのためのレシピを考え、煮て、味(匂い)を確かめ、また作り直す。添加物は使わない。素材そのものの力を信じる。それはビストロの料理と、まったく同じ哲学でした。
最初にマルコとハチがそのごはんを食べた瞬間のことを、岡は今でも鮮明に覚えています。「皿まで舐めてた」と笑いながら話すその顔には、料理人として誰かに喜んでもらえたときの、あの満足感がありました。
マルコとハチが喜ぶ顔を見て、岡は思いました。同じように悩んでいる飼い主さんが、きっとたくさんいる。
manma mia(マンマミーア)が生まれた理由
「manma mia」はイタリア語で「まあ、なんてこと!」という驚きや感嘆の言葉。でもイタリアでは「お母さんのごはん」というニュアンスでも使われます。愛犬に、お母さんが家族のために作るような温かいごはんを届けたい——そんな想いがブランド名に込められています。
添加物を使わないのは、マルコとハチに食べさせるものだから。季節で食材を変えるのは、その時期に必要なものを意識した食事を届けたいから。すべての選択の理由に、マルコとハチの存在があります。
ハチは今日も、厨房の一番近くにいる
マルコはずいぶん前に亡くなりましたが、ハチは今も元気に、岡のそばにいます。新しいレシピの試作をするたびに、一番最初の試食係を務めています。その反応が、manma miaのレシピを作り続ける原動力です。
「病気にならない身体づくり」をテーマに掲げているのは、治療より、毎日の食事の積み重ねで健やかな毎日をサポートしたいという岡の想いから。特別な日のごちそうではなく、日常のごはんを変えることが、愛犬の毎日をより豊かにすると信じているからです。
ハチと岡が歩んできたその道のりが、そのままmanma miaというブランドになりました。
ハチが最初に喜んで食べたそのレシピが、manma miaのフードに詰まっています。愛犬の毎日のごはん、一度見直してみませんか。